衛生管理者について

■衛生管理者免許の種類

 もうご存知かもしれませんが、衛生管理者免許の選任要件となる衛生管理者免許には、次の3種類があります。

1)第一種衛生管理者免許

 ・国家試験である第一種衛生管理者免許試験に合格した者等

  なお、保健師免許を受けた者、薬剤師免許を受けた者、一定の大学で保健衛生に関する学科を専攻して卒業したもので労働衛生に関する講座又は学科目を修めた者等は、申請により第一種衛生管理者免許を受けることができます。

2)第二種衛生管理者免許

 ・国家試験である第二種衛生管理者免許試験に合格した者等

3)衛生工学衛生管理者免許

①大学又は高等専門学校において、工学又は理学の過程を修めて卒業した者等で、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う衛生工学衛生管理者講習を修了した者

②労働衛生コンサルタント試験に合格した者、第一種衛生管理者試験に合格した者、作業環境測定士となる資格を有する者等のいずれかに該当する者で、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う衛生工学衛生管理者講習を修了した者

■衛生管理者の選任

1)選任の要件

 事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、当該事業場の規模・業種の区分に応じて、次の資格を有する者のうちから、衛生管理者を選任しなければなりません。

①都道府県労働局長から衛生管理者の免許を受けた者

②医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント等、厚生労働省令で定める資格を有する者

2)選任の時期及び報告

 衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任することとし、事業者は遅滞なく所轄労働基準監督署長に選任報告をしなければなりません。

3)専属の要件

 その事業場に専属の者を選任すること。ただし、2人以上の衛生管理者を選任する場合においては、そのうちの1人を事業場に専属でない労働衛生コンサルタントを選任することができます。

 つまり、外部の労働衛生コンサルタントに衛生管理者をお願いする場合は、1人までで、2人以上はダメですよ、ということになります。

4)業種の区分と資格

 次の表に掲げる業種の区分に応じ、それぞれに掲げる者のうちから選任することとなっています。

業種の区分

資格

農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業

第一種衛生管理者免許

衛生工学衛生管理者免許

医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント等

上記以外の業種

第一種衛生管理者免許

第二種衛生管理者免許

衛生工学衛生管理者免許

医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント等

 

5)事業場の規模と衛生管理者の選任数

 事業場の規模に応じて、次の表に掲げる衛生管理者を選任することとなっています。

事業場の規模 (常時使用する労働者数)

衛生管理者数

50~ 200 人

1人以上

201~ 500 人

2人以上

501~1000 人

3人以上

1001~2000 人

4人以上

2001~3000 人

5人以上

3001~   人

6人以上

 

6)専任の衛生管理者

①常時1000人を超える労働者を使用する事業場

②常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働安全衛生規則第18条各号に掲げる以下の業務に常時30人以上の労働者を従事させるさせるもの

ア)多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

イ)多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ウ)ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務

エ)土石、獣毛等のじんあい又は粉末の著しく飛散する場所における業務

オ)異常気圧下における業務

カ)削岩機、鋲打機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務

キ)重量物の取扱い等重激なる業務

ク)ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

ケ)鉛、水銀、クロム、硫酸等労働安全衛生規則第18条に定める有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務

 ところで、「専任」とは、衛生管理者の仕事だけを行い、他の仕事と兼務していないという意味になります。

一方で、「専属」とは、事業場に所属している、雇用され、常駐しているという意味になります。

7)衛生工学衛生管理者免許を受けた者の選任の対象となる事業場

 常時500人を超える労働者を使用する事業場であって、坑内労働又は次の業務に常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けたものから選任することとなっています。

ア)多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

イ)ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務

ウ)土石、獣毛等のじんあい又は粉末の著しく飛散する場所における業務

エ)異常気圧下における業務

オ)鉛、水銀、クロム、硫酸等労働安全衛生規則第18条に定める有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務