一般健康診断(その2)

(3)特定業務従事者の健康診断

 特定業務従事者の健康診断は、深夜業を含め、衛生上有害な業務など下記の業務に常時従事している労働者を対象に、これらの業務による有害な健康影響がないかどうかを確認するために、当該業務への配置替えの際及び6ヶ月以内ごとに1回、定期に実施するものです。

 実施しなければならない法定項目や取扱い方は、一般健康診断における場合と同じです。

■特定業務従事者の健康診断を実施すべき労働者が従事する業務

ア)多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

イ)多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ウ)ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務

エ)土石、獣毛のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

オ)異常気圧下における業務

カ)さく岩機、びょう打機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務

キ)重量物の取り扱いなど重激な業務

ク)ボイラー製造など強烈な騒音を発する場所における業務

ケ)坑内における業務

コ)深夜業を含む業務

サ)水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、青酸、苛性アルカリ、石灰酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

シ)鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二酸化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気、粉じんを発散する場所における業務

ス)病原体によって汚染のおそれが著しい業務

セ)その他厚生労働大臣が定める業務

(4)海外派遣労働者の健康診断

 労働者を海外に6ヶ月以上派遣する時、又は海外に6ヶ月以上派遣した労働者を国内の業務に従事させる時は、定期健康診断項目に加え、下記の健康診断項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければなりません。

■海外派遣労働者に対し追加する健康診断項目

ア)労働者を海外に派遣する場合

①腹部画像検査

②血液中の尿酸の量の検査

③B型肝炎ウイルス抗体検査

④ABO式及びRh式の血液型検査

イ)労働者が海外から帰国する場合

①腹部画像検査

②血液中の尿酸の量の検査

③B型肝炎ウイルス抗体検査

④糞便塗抹検査

(5)給食従業員の検便

 事業に付属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対し、雇入れの際又は当該業務への配置替えの際、検便による健康診断を行わなければなりません。