労働衛生の中心には、衛生管理のための3つの管理があります。これを「衛生管理の3管理」と呼ばれています。その3つとは、
①作業環境管理
②作業管理
③健康管理
この3つです。それぞれ言葉を見ただけで意味は分かるかと思います。
「作業環境管理」は、作業をするところの環境を管理することです。つまり、仕事の邪魔になる有害なものをなくしてしまうことをいいます。
例えば、暑すぎる寒すぎる、これを「温熱環境」といいます。部屋がうるさいなぁ、というのは「騒音環境」といいます。部屋が暗すぎたら、これは「視環境」といいます。すべて仕事の邪魔になるわけです。
そういった、仕事に邪魔になるもの、有害なものを無くしてしまう、それが「作業環境管理」です。
さらに具体的な例を挙げてみましょう。「今日はすごく寒いね」と温度計で温度を測ったら5度しかありませんでした。「5度しかない!これでは寒すぎる」と、エアコンのスイッチを入れて室温を上げました。そうすると快適な室温の中で仕事をすることになります。もう有害なものは無くなりましたね。これが実は「作業環境管理」です。
今行ったのは、まず温度計で温度を測りました。これを「作業環境測定」といいます。
5度だったので温度が寒いと評価をしました。これを「作業環境評価」といいます。
さらに、エアコンのスイッチを入れて室温を上げました。これを「作業環境改善」といいます。
つまり、作業環境測定には、「測定」「評価」「改善」という3つのプロセスがあるということになります。
特に、第1種衛生管理者試験では、作業環境測定の仕方、評価の仕方、改善の仕方などが試験に出題されますので、確認しておかれるとよいでしょう。
第2種衛生管理者試験では、3つのプロセスよりも、「有害な作業要因」自体が出題されますので確認をしておくとよいかと思います。
続いて、「作業管理」です。作業の管理ですので、「仕事の管理」です。仕事には「きつい仕事」と「そうでない仕事」があります。例えば立ち作業と座り作業でどちらがきついかというと、立ち作業の方が「作業負荷」がかかっている状態です。
「作業管理」は、作業の負荷を軽減し、仕事がやりやすいように見直す管理、ということになります。
そして「健康管理」は、健康診断や健康測定を行うことで、健康増進対策を進めていくことが健康管理です。