労働衛生統計

■労働災害及び業務上疾病の発生状況

 今日は、働く私たちを取り巻く状況として、統計、数字で確認しておきたいと思います。

我が国の労働災害による死傷者数は、昭和36年をピークとしてその後、概ね減少傾向にありますが、平成29年の死傷病者数120,460人と前年の117,910人より増加しています。また、死亡者数については昭和36年当時の5分の1に減少し、平成29年は978人と、3年連続して1,000人を割っています。ですが、仕事をしている時に命を落とす人が存在するということは、悲しく残念なことです。

一方、平成29年の休業4日以上の業務上疾病者数は、7,844人となっています。その内訳は業務上の負傷に起因する疾病が5,963人と全体の7割をこえており、この中でも、「腰痛(災害性腰痛)」が5,051人で業務上のの負傷に起因する疾病のうち約8割を占めています。

■自殺者の推移

自殺者は平成10年以降3万人を超えていたが、平成24年から3万人を下回り、平成29年の自殺者は21,321人となっています。そのうち被雇用者は6,432人になっています。

■熱中症による死傷者数の推移

職場における熱中症による死傷者数は、平成22年の記録的な猛暑の際多発し、その後も400人から500人台で推移し、平成29年は、544人と増加しています。

■ストレスがある労働者の割合

厚生労働省が実施した平成29年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は58.3%(平成28年調査59.5%)となっています。

■定期健康診断の実施結果

常時50人以上の労働者を使用する事業者から厚生労働省に報告のあった定期健康診断結果の報告によると、平成29年における受診労働者数は約1,350万人で、そのうち有所見者は約730万人となっており、有所見率は54.1%でした。健康診断は受けることが目的ではありません。この有所見者に対し、何らかの対策を立てていくことが重要ではないでしょうか?

今回は、抜粋してのご紹介いたしました。労働安全衛生法の目的の中の「快適な職場環境の形成」や「労働者の安全と健康を確保」には、まだまだ道のりが長いようです。